江戸川乱歩の小説原作「孤島の鬼」を買おうと思うけどどの出版社のがいいの?っていう話

はじめに

むかし、とあるきっかけで江戸川乱歩著の小説「孤島の鬼」の購入を検討した際に、数々の出版社から出ていることを知り、何を選んで良いのか分からなかったことがあったため、今後同じような状況になった人のちょっとしたお手伝いができればいいなと思い、まとめてみました。

※2015年11月現在の情報です。


ちなみに・・・先人の教え

過去の知恵袋で同じような質問があります。
いろんな意見があるのでよろしければ。
※下記のは2008年の情報です。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

ざっくりと、おすすめの孤島の鬼

<紙の本で買う場合>

角川ホラー文庫「孤島の鬼」

www.amazon.co.jp

とりあえずこの角川版を買えば良いと思います。
いろいろ出版社がある中で一番スタンダードだと思っていただければと思います。

おすすめポイント

カバーがきれいで、最近だとこの本を買われている方が多く見受けられるため。
江戸川乱歩の本は基本的にちょっと怪しげな雰囲気のカバーが多いです。
怖くない感じが良ければこれ一択です。)
どこの書店にもよく置いてあるのでおすすめ。

これと、挿絵の入っているバージョンがあります。
挿絵がある方が良い方は下記がおすすめです。
これのどっちかで検討するのが良いと思います。

創元推理文庫「孤島の鬼」

www.amazon.co.jp

挿絵入りだと思っていただければと思います。

創元推理文庫の挿絵は雑誌掲載時の竹中英太郎氏によって描かれた挿絵になっています。

Kindleで買う場合>

Kindleで買う場合は先ほど挿絵入でお伝えした創元推理文庫の「孤島の鬼」をおすすめします。

創元推理文庫「孤島の鬼」

www.amazon.co.jp

おすすめポイント

安い。(2015年11月現在324円)
挿絵入り。

逆に挿絵がない場合が良ければ下記がおすすめ。
他に長編が一本入っています。

光文社文庫「孤島の鬼」

www.amazon.co.jp


詳しく、おすすめの孤島の鬼

ざっくりと説明しました。
ここからはもうちょっと細かい説明します。

「結局全部でどの出版社から出てるの?」
「それぞれ何が違うの?」
「全部比較して、厳選した一冊が欲しい」

っていう人におすすめです。

一般的に書店扱っている「孤島の鬼」は全部で5種類

一般的に書店で扱っているのは5種類くらいです。
紀伊國屋書店くらいのお店であればそのうちの2・3種類はあると思います。
日本各地どこの店頭で売られているかは流石に確認していないので、
なければ天下のAmazonさんで購入いただくのが良いかと思います。

各出版社別「孤島の鬼」ご紹介

それではそれぞれの孤島の鬼について紹介します。

【1】角川ホラー文庫「孤島の鬼」

www.amazon.co.jp

特徴
  • 表紙がきれい
  • 収録は孤島の鬼一編のみ
  • 片手文庫サイズ
  • 挿絵なし
Kindle

なし

コメント

先ほどもご説明した通り、最もスタンダードな形かなと思います。
表紙もきれいなので持ち歩きやすい(人目が気にならない)と思います。
挿絵もないので、先入観なしで読めると思います。

【2】創元推理文庫「孤島の鬼」

www.amazon.co.jp

特徴
  • 挿絵あり
  • 漢字が少なめ(ひらがな多め)
  • 収録は孤島の鬼一編のみ
  • 片手文庫サイズ
Kindle

あり

コメント

先ほどもご説明した通りの挿絵あり版です。
ちなみにKindle版は紙の本より挿絵が少なめになっていますので、挿絵を目的にKindle版の購入を検討している場合はご注意ください。
(と言っても、Kindle版で挿絵があるのはこれだけです)
ひらがな多めなので読みやすいかと思います。

【3】光文社文庫「孤島の鬼」

www.amazon.co.jp

特徴
  • 挿絵なし
  • 単語に対する注釈(解説)あり
  • 収録は孤島の鬼ともう一編(猟奇の果)
  • 片手文庫サイズ
Kindle

あり

コメント

他の出版社と大きく違う点は、単語に対する注釈と解説があることです。
正確に言うと単語の解説というより、出版社によって違う表現に対して注釈がついており、本編の後方にその出版社別の単語の言い回しをまとめています。
なので「他の出版社でどういう表現をしているのか」といった、少々マニア向けの内容かと思います。
(もちろん初めて買って読む際にも全然問題ないです)
あとは他のお話も収録されているので、ちょっと分厚いです。

【4】リブレ出版「孤島の鬼」

www.amazon.co.jp

特徴
  • 挿絵なし(最後ページに咎井淳先生の設定画あり)
  • 収録は孤島の鬼一編のみ
  • 片手文庫サイズよりちょっと大きめ
  • 冒頭に若干のネタバレあり
Kindle

あり

コメント

直近で新しく出版された孤島の鬼です。
「BL乱歩」というテーマの元出版されています。
本編で出てくる登場人物に同性愛者がおり、それにフォーカスしていますが、本編は特に変更はありません。挿絵はありません。
表紙は咎井淳先生による美しいイラスト。
本編に登場する主人公蓑浦金之助が表紙に、裏表紙に同性愛者の諸戸道雄が描かれています。この二人の設定画が最後の方のページにあります。

冒頭のキャッチコピーに若干のネタバレがあるため、初めて読む方は別の出版のものを購入の上、こちらを購入した方が良いと思います。

片手文庫サイズよりちょっと大きめで、ちょっと分厚めです。

【5】春陽堂書店「孤島の鬼」

www.amazon.co.jp

特徴
  • 挿絵なし
  • 収録は孤島の鬼一編のみ
  • 片手文庫サイズ
  • 本編中一部脱文あり
Kindle

なし

コメント

現在一般の書店で手に入る孤島の鬼の中である意味一番マニア向けかもしれないです。笑
とある一章の中で脱文がありまして。ゆえに、初回での購入はあまりおすすめ出来ません。
脱文は脱文でも文章がそのまま抜けているのではなく、抜けている文章の前後に繋ぎのような文章があるため、こちらでも物語はスムーズに進みます。
ちょっとした別バージョンとして、気になる方は購入してみてはいかがでしょうか。

参考

nabariningaikyo.blog.shinobi.jp

「孤島の鬼」脱文2015」

http://www.e-net.or.jp/user/stako/20150404.pdf


名張人外境様発行の、脱文部分を訂正したPDFです。
(上記リンク先のブログの管理元の方です。)


出版社別で何が違うのか

出版社別とはいえ、内容は特に変わってはいません。
※しいて言えば先ほどの春陽堂書店のは若干変わっていると言えますが。
出版社によって違っている箇所のポイントはこんな感じです。

1.使う単語

古い本なので、現代的な単語に変えている部分があります。
(人力車→車、活動写真→映画、など)

2.仮名遣い

単語が漢字で書かれていたり、平仮名だったり、カタカナだったり。

3.日付

一部です。例えば、主人公が旅立つ日が8月19日だったり7月29日だったり。

4.挿絵の有無

創元推理文庫だけ、挿絵があります。

ほか、細かい所が気になる人は光文社版の孤島の鬼を購入されることをおすすめします。

さいごに

ここまで読んでくださってありがとうございます。
補足とかツッコミあればご連絡ください。
今のところはこんな感じです。
勢いで書いたので、今後修正するかもです。
(新しく出版された時とか‥)
勢いで書いたので言葉足らず(または逆)とか何かあったら修正すると思います。

では、失礼します。